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農家のホームページを見ていると
「昼夜の寒暖差が大きい地域なので、野菜が美味しい!!」
なんて謳い文句が書かれていること、あるのではないでしょうか。
(当ショップでも美味しさのヒミツとして挙げていますが・・・)
ですが、
いきなり「昼夜の寒暖差があるから美味しい!」なんて言われても本当かなぁ~
というのが正直なところだと思います。
そこで本記事では、
「なぜ昼夜の寒暖差があると野菜が美味しくなるのか」
その理由を解説します。
1.昼夜の寒暖差で野菜に起こること
昼夜の寒暖差が大きいと、主に2つの現象が起きます。
①光合成で作った栄養をため込みやすくなる
②野菜が凍らないように「糖」を出す(氷点下の時)
これら2つのことが、野菜の味に嬉しい効果をもたらします。
以下で詳しく見ていきましょう。
2.光合成で作った栄養をため込みやすくなる
ここでは、
昼の気温が高く
夜の気温が低い
ということに注目していきましょう。
2-1.昼の気温が高いとき
昼の気温が高くなる時はどういう時か・・・ズバリ、
晴れている日
ですね。
晴れている日は太陽が雲にさえぎられることなく出ているので、
日光が野菜たちによく届きます。
日光が野菜の葉っぱに当たれば当たるほど
光合成がたくさん行われるため、
野菜は栄養をたくさん作りだします。
作り出される栄養は炭水化物なので、要するに糖類です。
野菜にため込まれた糖が多ければ多いほど、甘みのある美味しい野菜になります。
2-2.夜の気温が低いとき
野菜も人と同じように「呼吸」をしています。
呼吸では昼間作った栄養(炭水化物=糖)を消費します。
呼吸は気温が高いと活発に行われ、気温が低いと抑えられます。
したがって夜の気温が低いと野菜の呼吸量が抑えられ、栄養の消費量も少なくなります。
ちなみに呼吸は昼も夜もしています。
晴れている日の昼は光合成でたくさん栄養を作っているため
呼吸による消費量<光合成による生成量
となり、野菜の中の栄養は増えていきます。
しかし、夜は呼吸しかしないため、昼間ため込んだ栄養が減っていってしまいます。
ただし、呼吸は植物の成長に不可欠なものです。
呼吸により光合成で作られた栄養は成長のためのエネルギーに変わります。
呼吸によって作り出されたエネルギーで植物は成長するのです。
2-3.昼夜合わせて考えると・・・
まとめると、
「昼の気温が高い」=「光合成が活発」=「作り出される栄養(糖)が多い」
「夜の気温が低い」=「呼吸が抑えられる」=「消費される栄養(糖)が少ない」
⇒「野菜の中に残る栄養(糖)が多い」
ということになります。
「糖」がたくさん残っている野菜は甘みが強くなります。
そのため、昼の気温が高く、夜の気温が低い場所で育てた野菜は甘くて美味しい野菜になります。
3.野菜が凍らないように「糖」を出す(氷点下の時)
ここでは、冬が近づいてきた頃の最低気温に注目していきましょう。
ご存じのとおり、氷点下(0℃以下)になると水は凍ります。
野菜には水分が含まれているので、やはり氷点下になると野菜の中の水分も凍ってしまいます。
これでは野菜が凍死してしまいます。
この時、野菜は凍らないための能力を発揮します。
先ほど述べた通り、水は通常0℃で凍りますが、不純物を混ぜると0℃よりも低い温度にならないと凍らないようになります。(凝固点降下)
野菜は、野菜中の水分に不純物として「糖」を混ぜることで、凍る温度を下げています。
0℃では凍らなくなるのです。
寒さに耐えた野菜を食べると甘い味がするのは、野菜自身が凍らないようにため込んだ糖のおかげです。
寒さに強い野菜の場合は一度霜に当てたり氷点下を下回ってから収穫した方が、甘くて美味しい野菜になります。
4.まとめ
寒暖差が大きいと野菜が甘くなる理由が分かったと思います。
多くの地域は秋が近づくにつれて昼夜の寒暖差が大きくなるようです。
ただ、高冷地など、夏でも昼夜の寒暖差が大きい地域もあります。
夏でも昼夜の寒暖差が大きい地域の野菜は夏野菜でも甘みがあって美味しくなります。
イメージとして、昼夜の寒暖差が10℃近くある地域は、野菜が美味しくなる理由として「昼夜の寒暖差が大きい」とうたっている感じがします。
(何度以上差があると甘みが増す、ということに関して学術的な根拠とかは見つけられなかったので、あくまでも私の受けた印象です)
せの畑(当ショップ)のある岩手県八幡平市も
夏でも昼夜の寒暖差が10℃以上あり、
10月には氷点下になるため、
野菜が甘いと評判です。
ぜひ、皆様も昼夜の寒暖差の大きい地域の野菜を試してみてはいかがでしょうか。
んだば、まんず。