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夏になるとたくさん取れるキュウリ。
最初のうちはモロキュウなどで喜んで食べて数日の内に消費できるのですが、
キュウリは一度採れ始めるとほぼ毎日収穫できるので、
だんだんと食べ切れなくなってくると思います。
そんな時にお勧めなのがキュウリの漬物。
浅漬けはもちろんですが、
長期保存に適した古漬け
もキュウリの大量消費には便利。
浅漬けと違い短期間で食べ切る必要は無いので、長期保存して冬場の保存食にもできます。
本記事では、田舎の年寄り・ばさま(祖母)直伝、塩と酢だけで漬ける古漬けキュウリの作り方をご紹介します。
(※ヌカ漬けでは無いのでヌカは使用しません。)
1.用意するもの
①キュウリ
キュウリは新鮮なものを用意します。
できれば若くて傷のないキュウリが良いです。
漬け物にするキュウリの選別については「2-2.キュウリの選別」で詳しく説明します。
②あら塩
一般的な漬物を作る時と同じようにあら塩を使います。
もし、
血圧など健康面に気を遣いたい!
精製塩を使いたくない!
など塩にこだわりのある方は、
「海の精」
など精製していない製法で、海のミネラル分をしっかり含んだ塩
もオススメです。
ちなみにせの畑でも2023年は「海の精」を使ってみました。
塩分の取りすぎを気にせず漬物がたくさん食べれるかも・・・!
③酢
酢も食材の保存を効かせるのに役に立ちます。
ばさま(祖母)の作る古漬けは塩と酢で味付けします。
すっぱしょっぱいので食べ慣れない内は刺激物なのですが、慣れるとクセになります。
せの畑ではリンゴ酢を使っていますが、お好みの酢を使って大丈夫です。
④漬物樽
採れるキュウリの量に合わせた漬物樽を用意します。
せの畑で使用しているのはホームセンターで購入した60型です。
実際にどのくらいのキュウリが入ったかというと、(上に漬物石を乗せる前提で)
60型の樽で約150本くらい
でした。
(※あくまで私の経験によるものですので、参考程度でお願いします。)
もし、漬物樽を置く場所が無い場合は大きめのタッパーなどでもよいと思います。
日陰に常温保存なので、冷蔵庫の大きさは特に考慮する必要はありません。
⑤漬物袋
漬物樽のサイズに合わせた漬物袋を使います。
60型の漬物樽の場合は3斗用の漬物袋を使います。
漬物袋のパッケージにも60型などの表記があります。
⑥漬物石
せの畑には長年集めた天然の漬物石がたくさんあります。
↓ご先祖様が「角が取れて丸みのある、結構重ための石」を見つけては集めていたのだと思います。
•••が、
天然の石なんて持ってないよ!
という方はホームセンターで漬物石が売っています。
取っ手まで付いていて、とても持ちやすそうですね。
(漬物石の重さは漬けたいものと同じくらいの重さ〜2倍くらいがいいそうです。)
⑦バケツ
キュウリを漬ける時に使います。
2つ以上あると便利です。
・キュウリを入れて運ぶ
・手洗い用の水を入れる(手に塩が付くため)
などに使います。
2.作り方
2-1.事前準備
①漬物樽・漬物石の準備
漬物樽、漬物石が汚れている場合、事前に洗って乾かしておきます。
日に当てて日光消毒するとなお良しです。
2-2.キュウリの選別
すべてのキュウリが漬物に適しているわけではなく、
✕ 少し腐っている部分のあるもの
✕ 皮ではなくキュウリの中身が見えているもの
✕ 汁やゼリー状の分泌物が出ているのも
などは、ばさま(祖母)曰く漬物には使わない方が良いみたいです。
確かに、腐っている部分のあるキュウリを漬けてしまうと、他のキュウリに何か悪影響がありそうな感じがします。
具体的に漬けない方がいいキュウリはどのようなものなのか、画像で見ていきましょう。
①漬けない方がいいキュウリ
↓皮がえぐれたり、茶色く腐ったりしています。キュウリの実が地面についているとこのようになりやすい気がします。
↓直径数ミリの穴ボコがあったり、皮が細かく黄色や茶色になって(画像中央部)しまっています。汁やゼリー状の分泌物が出ているようでしたら漬物にはしない方がよいでしょう。
↓直径数ミリの黄色っぽい斑点があり、その部分だけ皮が硬くなってしまっています。こちらも汁やゼリー状の分泌物が出ているようでしたら漬物にはしない方がよいでしょう。あとは漬物にしたときにあなた自身が食べる気になれるかどうかで決めてもいいかもしれません。
②漬けても大丈夫なキュウリ
↓多少傷が合っても、この程度であれば汁やゼリー状の分泌物が出ていないと思うので大丈夫です。
↓ちょっとゴワついてますが、そこまで皮が硬くなっている感じもしませんし、食感的に問題はなさそうです。
③判断がつけにくい時はどうするのがよいか?
判断がつけにくい場合は、
このキュウリを漬物にしたときに、あなた自身が果たして食べたいと思うかどうか
で決めてもよいかもしれません。
ただ、明らかに
キュウリの表面が腐っていたり、
皮がむけていたり、
汁などが出ていたりすれば
確実に漬物にはしない方がいいです。
2-3.漬け方の手順
①キュウリを洗う
キュウリをタワシなどで洗います。
ホコリや土が取れれば大丈夫です。
洗ったキュウリなどはキレイなバケツに入れておきます。
我が家では洗った後に乾かしたりとかは特にしていません。
②バケツに手洗い用の水を入れる
事前に手洗い用の水を用意しておくことで、漬物を漬けたときについた手の塩を洗うことができます。
バケツに少量の水を入れればOKです。
ちなみに、手に塩がついても全然気にならない!という方は不要です。
③漬物樽に漬物袋を設置
漬物樽に漬物袋を設置します。
↓画像ではすでにキュウリが入っていますが、漬物樽のフチに袋をひっかけるようにすると作業がしやすいです。
④キュウリに塩を塗りつける
手で塩をひとつかみして、キュウリ一本一本に塩をこすりつけるようなイメージで塗りつけます。
↓塩をひとつかみして
↓キュウリに狙いを定めます。
↓キュウリに塩をこすりつけるようにします。
↓塩を塗り付けた後はこんな感じ。(キュウリを洗った後乾かさないため、残った水分に塩微妙に溶けて泡っぽくなっていますが・・・)
ちなみに塩ひとつかみ当たり何本のキュウリに塗り付けるかで漬物の味を調整できます。
あくまで私の経験ですが、
1本ずつのキュウリに塩をつけると塩っ気の強いしょっぱめキュウリ漬け、
2本ずつのキュウリに塩をつけるとちょうどいい塩っ気のキュウリ漬け、
3〜4本くらいのキュウリに塩をつけると後から入れる酢の味が強い酸っぱめキュウリ漬け
になりました。
ただ、漬物が腐らないようにするためには塩は少し多めくらいがいいと思われます。
※あくまで塩分党の私の経験に基づく感覚です。ひとつかみの塩の量や仕上げに使う酢や塩の量でも味は変化しますし、味覚は人によって違うので、参考程度に思っていただけると幸いです。
⑤漬物樽に敷きつめる
漬物樽に塩をもみ込んだキュウリを敷きつめます。
その段にキュウリの置く場所がなくなったら、次の段(上の段)にキュウリを同じように敷きつめます。
⑥ ④〜⑤を繰り返す
④〜⑤をキュウリがなくなるまで繰り返します。
⑦酢を入れる
酢を入れることでキュウリの保存性が増します。
バケツで手を洗い、酢を準備します。
酢をキュウリの上から1〜2周くらいかけます。
ちなみに、酢の量はお好みで変えて大丈夫です。(じゃじゃ麺みたいですね)
⑧塩をふりかける
仕上げにキュウリの上から塩を1〜2つかみくらいふりかけます。
酢で塩が流れてしまっているので、キュウリにもう一度塩が付くようにするイメージです。
↓1つかみ分の塩
↓キュウリの上にふりかけます。
↓全体的に塩がかかっていますね。塩が酢で流されてしまってもこれで大丈夫。
⑨空気を抜きながら漬物袋を縛る
↓空気を抜きながら袋の結ぶ部分をねじります。
↓後でほどきやすい程度に縛ります。
ただ、しっかり縛ると中でガスが溜まって袋が膨れ上がることがありました。
漬け物の命である漬物石が持ち上がっていたので、
そのようなときは一回ほどいてガスを抜いてあげましょう。
また、ガス抜きが面倒な場合は少し緩めにねじるだけでも良いかもしれません。
↓ただし、袋の外(樽の内側)にキュウリから出た漬け汁が漏れます。
(私はきれいに空気を抜くのが苦手なのと結ぶのが面倒くさいので、きつく縛らずに緩めにねじるだけにしています。ガスがたまったことはありません。ちなみに、袋の口の部分に2-3.⑩で説明するような中ふたを乗せることで虫などの混入を防いでいます。)
⑩中ふたを置く
漬物樽に付属している中ふたを起きます。
漬物石を置いた時に、キュウリにまんべんなく重みがいく効果があります。
⑪漬物石を置く
漬物石を置きます。
ばさま(祖母)曰く、漬物石はとにかく重くして水分を出すほどいい漬物になるとのことです。
そのため、キュウリから漬け汁が出てくるまでは画像のように漬物石1個ではなく、3~4個くらい乗せてもいいかもしれません。
参考までに、漬物石の重さは
キュウリから水分が出ている場合は重み十分ということでOKですが、
もし1~3日してもキュウリから水分が出てこない場合は石の重みが足りていない
と判断します。
足りていなさそうなときは漬物石を増やすなどして重みを追加しましょう。
⑫外ふたをする
漬物樽に付属している外フタをします。
保管場所にもよりますが、
漬け物の汁が漬物袋の外にしみ出てくると、意外と虫(ショウジョウバエ?)が湧くので外フタはしましょう。
まあ、家の中のような虫の少ない環境なら大丈夫だと思いますが、隙間だらけの小屋などは虫も出入り自由なのでコバエのような虫が湧く可能性は高まります。
苦手な方はご注意を。
(漬物袋の口をしっかりと結んだりふさいだりしていれば袋の中に入り込んだりはしませんが。)
⑬数日〜1週間で完成
漬物樽のフタをする古漬けなのですぐには食べない方も多いと思いますが、
数日〜1週間後には味がしみているので食べることができます。
↓漬物樽から取りたてホヤホヤ
↓切るとこんな感じ
2-4.保存中の手入れ
漬物樽で保存中にきゅうりの漬け汁から白いものが浮いてきます。
ばさま(祖母)の言葉で「しろっこ」というもののようです。
特に夏場の暑い時期は「しろっこ」が発生しやすいです。
↓控えめな「しろっこ」。細かく浮き上がっている白いものが「しろっこ」です。
↓数ヶ月放置すると白いものが繋がって大きく広がります。(※グロ注意)
胞子感が無いので白カビとは違う感じです。
漬物袋を開けてみるとキュウリに細かいしろっこが直接ついていることもあります。
ただ、キュウリに直接ついているしろっこから、カビが生えたことは今のところありません。(保存環境にもよると思いますが)
しろっこはキュウリなどについていても洗い流して食べれば特に害はありません。(※経験的に)
ただ、袋の外(樽の中)にあるしろっこは、一年くらいほっとくと青カビが出てきたりします。
なので、漬物袋の外にあるしろっこは定期的にアクのようにすくって捨ててください。
ただし、しろっこは塩分を含みますので、畑などに捨てると塩害などの原因となります。
捨てる場所を
環境(農作物、地下水等)に極力悪影響のなさそうな一ヶ所に決める、
もしくは家の排水口に流す
など配慮した方がよいと思います。
試したことはないですが、塩水で育つと噂のアイスプラントのプランターなんかも
しろっこなど塩分含んだ水を捨てる場所としていいのではないかなと思います。
2-5.新しいキュウリの追加
夏場はは日々新しいキュウリが大量に収穫できると思います。
そんな時は、すでに漬けたキュウリの上に塩を塗り込んだキュウリを敷き詰めていけは大丈夫です。
3.補足
3-1.漬け物がしょっぱい時の対応
できた漬物がめちゃくちゃしょっぱい!!!
という方は水出しをすることをオススメします。
水出しはしょっぱさや個人の好みにもよりますが、
1~3時間くらいだと水出ししたものをそのまま食べても漬物らしさが残っている感じがします。
(上記の水出し時間はせの畑の感覚なので、あなたも試してみて好みの水出し具合を見つけてください。)
ただ、一晩とか半日とか水出しをすると、水っぽい味になります。
漬物らしいキリッとした塩っ気は失われていますので、
再度味付けをすることをオススメします。
味付けのやり方によってはキュウリのQちゃんみたいな味にもできるそうです。
(味付けの方法などはクックパッドなどを参照してください。)
ちなみに、せの畑では
水出しをせずにしょっぱいキュウリ漬けを直接酢に浸して
食べたりもしています。
ほのかな塩味にダイレクトな酸っぱさを感じれるとてつもない刺激物ですが、酸っぱいの好きにはいいかも?
勇気のある人は試してみてください。
3-2.何年ものまで食べられるのか?
漬けたキュウリは何年前のものまで食べられるのか?
試すつもりはありませんでしたが、
今年・1年前・2年前とキュウリ漬けがあったので、
どこまで大丈夫か実際に食べてみました。
①半年前に漬けたキュウリ漬け
これはもちろん問題なく食べれました。
冬場の保存食として十分役に立ちます。
②1年半前に漬けたキュウリ漬け
漬物袋の外側にあるしろっこに青カビが生えてましたが、
内側にはカビはなさそうです。
しろっこはちょっと茶色みがかっていますが、まあ大丈夫でしょうという感じです。(※あくまでも個人的判断です。)
味もまあ普通にキュウリ漬けです。
ただ、結構しょっぱかったので、
塩の量が多かったおかげで保存が効いた
という可能性もあります。
塩加減によっては食べれない可能性もありますので、くれぐれもご注意ください。そして自己責任でお願いします。
③2年半前に漬けたキュウリ漬け
2年前に漬けたキュウリ漬けの漬物樽のフタを開けてみると•••
「しろっこ」
が薄茶色を超えて赤くなり
「あかっこ(私が勝手に命名)」
になっていました。
漬物袋の外側の漬け汁には青カビ黒カビも生えていました・・・
↓ところが、漬物袋の内側にはカビはありませんでした。漬け汁も白濁程度なので大丈夫っぽそうです。
試しにキュウリを洗って食べてみたところ、味は特に問題なさそうでした。
ただ、ちょっと匂いが•••臭いかなあ。
味は問題ないですが、臭いのせいでちょっと食欲が•••(笑)
まあお腹も壊さなかったので、今回は食べれないということはありませんでした。
※保管方法や気温、漬け方などによって、食べれるかどうかは変化すると思われます。そのため、食べる際はキュウリの状態をよくみて判断し、自己責任でお願いします。もし何かあっても責任は負いかねます。
4.オススメの食べ方
4-1.ごはんのおとも
言わずもがなですが、白ご飯とともに食べれば食が進みます。
ばさま(祖母)曰く、食欲がなくても漬物があればとたんに食欲が湧くらしいです。
4-2.キュウリの古漬けチャーハン
玉子チャーハンを作る時に、
数ミリ程度に刻んだキュウリの古漬け
も追加で入れて炒めればいいだけです。
熱したフライパンに
油→玉子→ご飯→数ミリ程度に刻んだキュウリの古漬け
の順に入れて炒めます。
キュウリの古漬けに十分な塩っ気があるので醤油や塩などの味付けをしなくても十分美味しいです。
世の中にキムタクごはんがあるくらいですし、キュー玉チャーハンも全然市民権得てもいいくらいですね。
漬物は刻んで料理に入れると、いい塩っ気とコリコリ食感で色んな料理に合いそうです。
他にも古漬けキュウリのしょっぱみを活かした料理にしてみると色々アレンジレシピ思い付けていいかもしれません。
5.まとめ
キュウリの古漬けの作り方いかがだったでしょうか?
浅漬けとの一番の違いは長期保存が可能!というところにあります。
最初の漬物樽などの用意が手間ですが、一旦用意してしまえばあとはキュウリに塩を塗り込んで上に足していくだけなので意外と簡単です。
冬場の保存食にもなり、料理のアレンジにも使え、意外と活躍の幅は広いと思いますので、あなたもぜひ挑戦してみてください!
んだば、まんず。